誰にでも不調な時がある。俳優になったつもりで、理想の自分を演じてみよ [日記]
おはよう、といつものとおり声をかけたが、
いつも元気な営業の新人に返事がない。
どうしたのかと聞いたが、返事がまったく返ってこない。
昼休みに、コーヒーに誘ってみた。
何か悩んでいるようで、気になったので、
その訳を聞いてみることにした。
「お得意さんに商品の説明をしたが、それがまずかったので、
今月の取引はいいや!
と言われ断わられてしまった。
俺はいつもそうなんだ、説明が下手で、
相手をいらいらさせて、うまくいく話もダメにしてしまう。
生まれつき、ダメ人間なんだよ。
最初から、営業という仕事は自分に向いていなかったんだ。
自分はこのまま、駄目人間で終わるのかもしれない。
アァァ!だめだ!」と言って落ち込んでいた。
もう少し、いろいろと聞いた後、
私の意見を言ってみた。
「よかったじゃあないか。最高だよ。
ダメだと思った取引先の社員が、
次回あった時は様変わりになっていて、
こんな信頼できる人間なら、
取引量を倍増にしてやりたいと思ってもらえたら良くないか。
来月は倍の取引量にすればいいじゃあないか。
3ヶ月以降はその倍が持続するので、
年間で見れば好成績だ。
これは、やる価値がある絶好のチャンスだよ!
それに、今回が、君のステップアップの時期なんだよ、
絶好のチャンス! 頑張れ!」とつけ加えた。
「君は自分は要領が悪くて、と、二言目には言うが、
それは誰でも同じなのだ。
そういう思考回路が、
自分を駄目な方向に引っ張っていると思う。
少しの失敗でも、好機の兆しと考え、
自分が生まれ変わると思って、方針の変更をしてみたらどうだろう。
今の場所で務まらない人間は、何処に行っても務まらないぞ。
今は自分が試されている時期なのだと考えたほうが良い。」
とアドバイスをした。
しかし、新人は不安げに聞いてきた。
「どうやって、好機に変えたらいいんだのですか?」
と言ってきたので、
「まず最初は、説明が下手で、相手をいらいらさせて、
うまくいく話もダメにしてしまったんだったら、
うまく説明できるように、簡潔な文を書いて、読み上げ、
知り合いとか、家族に説明して、
OKが出るまで、とことん直してもらう。
2番目に、相手ともっと親しくなるために、
相手が興味を持てそうな趣味とかを調べて、
その話を合間にちょいちょいといれて、話を繋ぐ。
話を簡単に終わらせない工夫をしたら。
3番目に、相手の暇そうな時間に訪れ、
近くにきたからといって少し強引に会社に訪問して、
まず、会って話をすること。
何回も合えば、自分を知ってもらえるし、細かいことも相談できる。
4番目は、会った時に、満面の笑みを浮かべ、
身振り手振りを大きく、
自信があるように大声で話しかける。
この人は前回、自信のない社員だったが、
別人のように自信を持ち、
信頼できそうだと思わるように振る舞うこと。
当面、以上4点に絞ってやってみて、
細かいところは、その結果を踏まえて、自分に合わせて修正することだね。
自分が生まれ変わる戦略と思って、
映画俳優の主人公になったつもりで、試みてみたら。」
とアドバイスをした。
新人も、「なんか自信が出た。
思い切ってやってみます。ありがとうございました。」
と言って、感謝してくれた。
その新人は能力もあるのに、自分は消極的で、
何をやっても失敗すると勝手に思い込んで、
自分を抑えてしまう性格なのかもしれない。
一つ、コツを掴むと、
あとはうまくいくものなのだが。
彼なら、きっと克服できると思う。
私も、彼の近くで成功を見守っていくつもりだ。
スポンサーリンク
コメント 0